話して一緒にいて楽しい人。

新年明けましておめでとうございます。

今年最初のブログなので、皆様が楽しい一年で過ごせるように

お祈りすると共に、そのための秘訣を書いてみようと思います。

長年の商いを通じて多くの人とお会いしてきて感じることは、

お話していて時間を忘れるほど楽しい気持ちになる人と、

少し憂鬱な気持ちになり時間が長く感じられる人に別れます。  

それは決して話題の明るさや暗さの違いなどではなく、

長く感じる人は話題の中身が無意識なのですが他責的であり、

誰それがどうしたとか、誰それがこんなことを言ったとか、

誰それにこんなことをされたなど、話の筋道のほとんどが

自分が正しいという主張が一貫している人で、その特徴は愚痴や

文句が多いので聞くのが辛く不愉快だから時間が長く感じるのです。

そこには内省的な自分自身への俯瞰した眼差しはないので、

私はさりげなく持ちつ持たれつの関係性を示唆するのですが、

何を話しても自己の正当性に戻ってしまう堂々巡りの人だから、    

前向きな方向にならず聞く心が疲弊するから長く感じるのです。

これは夫婦の話題などでも同様で、夫婦や親子の関係性の中で

会話がなくなる原因なども同じ理由だと思います。

夫婦でも親子でも嫌なことの愚痴を聞いてあげることは必要ですが、

その愚痴を聞くとき一番大切な姿勢は、最初は黙って聞いてあげて

意見は求められたら述べることを意識的に心掛けることです。

この黙って聞く姿勢は相手の辛さを思い測り理解しようとしている

サインに繋がり、心を許した相手が愚痴を聞いてくれるだけで

溜飲が下がる場合があり、しっかり聞く姿勢が相手に伝わっていれば、

辛さに限界があるときは必ず意見と助けを求めるものです。

子供は別として会話が自分の正当性に終始する人は、

いつも相手が悪くて自分が正しいという趣旨が多いので、

聞く方が不愉快になるので次第に誰も耳を貸さなくなると思います。

このような人達は実はどの場所でも孤立している人が多く、

その原因が自分自身にあることには気が付いていないのです。

勿論このような人の会話の中にはユーモアやジョークなどもなく、

日常会話の中に笑いが存在しないので楽しいはずはないのです。

人間誰しも楽しいことばかりではなく困難辛苦は付き纏うのですが、

例え辛く暗い話題でも普段から自己を相対化している人は、

愚痴や辛く苦しい事態の説明の中にも内省的な言葉があり、

また素直な『聞く耳を持っている』ので厳しい言葉のアドバイスでも、

その言葉に籠められた愛を察することができるので、次第に前向きな

方向に進み最終的には『ありがとう』と『頑張って』の言葉と共に

笑って別れることができる生産的で素敵な関係で終わります。

訪問販売にクーリングオフ制度というのがありますが、これは

契約が終わり別れ冷静になったときに『心に嫌なものが残っていたら』

その契約を解約できる制度ですが、人間関係も全く同じです。

相対した相手と別れた後の心に、『胸に暖まる』ものが残っているか?

『胸に棘が刺さったような痛み』を覚えいつまでも疼くか? ですが、

前者の人には日常会話の中にユーモアやジョークも満載で、

後者の人の日常会話には愚痴と廻りの人間を責める言葉が多い

だけではなく自己顕示欲も強いので自慢話などが多いから、

自然と人が寄り付かず必然的に孤立する悪循環に陥ります。

この違いが起こる一番の要素は養育環境で、それは育った家庭の

金銭的な裕福さや貧しさなどではなく、どのように愛されたか? で、

親の自己犠牲的な行為を通じた慈愛を受け取り、その親の背中を

見続け『愛されている』という確認で自己肯定感を獲得することです。

勿論愛には過剰な甘えへの厳しい躾という薬味も添えられるべきで、

その役目は主に父親の仕事ですが、日常の子供を観察して

母の慈愛と父の厳しさのバランスを夫婦で相談する会話がないと、

料理と一緒で素材を生かした絶妙な味付けにはならないと思います。

私はもう四十七年間も営業しているので、現在の固定客の方達は

ホッコリする会話でストレスがなく毎日の開店が楽しみですが、

最初の頃から二十年位は本当に大変で、特にバブル時代のときは

傲慢な人達が結構いて、棘などは良い方で矢を刺されるような

向こう傷を負わされてお客さんと喧嘩したのは日常茶飯事でした。

そんな後味の悪さを引きずらずに過ごせたのは、その頃は妻がいて

話を聞いてくれ消化できたことと、閉店後は妻と娘が寝た後の夜中に

仕事をしても娘の子育てに係わったことが復元力の源になり、

私も若かったのでストレスへの耐性もあったから病気もせずに

乗り越えて来られたのだと思います。

人間の健康維持と生きる力を生むものは愛と笑いだと私は思っており、

家庭や仕事場の潤滑油として何気に笑いがあるのが一番の薬で、

最近のテレビCMのような健康食品や病院の医師に頼ることは

身体に異常が出たときに必要な二番目の薬だと思っています。

ギランバレー症候群から退院したとき私は五種類の薬を飲んでいた

のですが、リハビリ効果で感じたことを医師に話し薬を減らしてもらい、

医師も納得のうえで今は二種類の薬だけにしてもらっています。

介護保険の使用も、退院したときは要支援Ⅱでしたので数種類の

介護用品を利用していたのですが、こんな物に依存していたら

駄目になると思い半年後にケアマネージャーに話し、全ての

利用をやめたのですが、担当のケアマネージャーが私に

『増やす人はいても、減らしやめる人など初めてと少々呆れ顔で

言いましたが、最後は『敬意を表します』と言ってくれました。

毎日を楽しく過ごすには『生薬より笑薬』と考えた方が健康にもよく、

その健康に生きるためには怒りを遠ざけてユーモアで笑いを増やし、

『なるようにしかならないと』考えて余分な不安を持たないことです。

不安や怒りは発病リスクを高め老化を早めることに繋がりますが、

日常にユーモアやジョークがあれば若返ることに繋がっています。

妻が初めてオナラをしたとき、私は立ち上がり敬礼をして少し

叱るような口調と表情で陛下』言ったのですが、恥ずかしそうに

していた妻は少し間があり意味を理解して大笑いをしていました。

その後も妻がトイレに入っているとき、ノックをして『殿下ー』

『皇太子殿下』なども考えているだけで楽しく、妻の恥ずかしさも

軽減されたようで以後は『ごめん』と言ってするようになりました。

普段のちょっとした失敗でも『何やんてんだよ!』などは禁句で、

私は妻の顔を覗き込み『素敵❣』と皮肉を込め微笑みかけました。

定休日はふたりで遊び呆けたのですが、就寝前には妻の前に立ち

『今日は一緒に遊んで頂きありがとうございました』と慇懃無礼な

態度でお辞儀をするのですが、妻もジョークを理解していて

『また遊んであげる』と言っていました。

勿論感情を剥き出しにした喧嘩などもたまにはありましたが、

喧嘩は紛争を戦争に繋げない国家間の外交交渉のようなもので、

お互いの本性を理解するためには剥き出しの感情も必要で、

喧嘩は理解を深め平和を維持するための戦いと肝に銘じることです。

また昔から『喧嘩両成敗』と言うように、どちらかが一方的に悪い

ということはなく『悪妻』を作り出す『悪夫』があり、『悪夫』を作り出す

『悪妻』があると内省的に考え生産的に捉えることです。

怒りを減らし楽しい毎日にするには感謝の『ありがとう』も素直に

言えるようにすることですが、シャイな男には言えない人も多くおり

『いまさらそんなこと言わなくても判っているだろう』と言いますが、

感謝は言葉にしないと伝わらないのですから素直に言うべきです。

この言葉こそ安寧な生活を維持する潤滑油の役目を果たしていて、

家事や仕事の疲れを癒してくれるだけでなく、相手に明日への

勇気と希望を投げかけているのが感謝の言葉だと思います。

妻に『本当に小生意気なひねくれ者だね』と言われても、

『そんなに褒められると照れるなー』と返答したので、

妻は『褒めてない!』と言うのですが決して喧嘩にはならず、

妻は安心してこの言葉を使えたので溜飲を下げていました。

誰でも老いと共に病気を体験し不具合を抱えるのですが、

失ったものに未練を残しても不幸な気持ちになるだけですので、

『一病息災・数病息災』と受け入れ共に生きる潔い楽観主義で

望む方が、免疫力が上がり健康回復の力になるものです。

私のモットーは『嫌な奴に逢わないで美味しいものを食べる』ですが、

これを最優先に生きると毎日が楽しさを伴う笑いの交流が生まれ、

変な健康食品やサプリに依存する不安な生活よりずーっと健康によく、

楽しさは伝染し健康も家族に伝染する効果があると思っています。

人生には『喜怒哀楽』が満載なのですが、できれば怒哀を少なく

喜楽を多くする方が楽しく生きられると考え、自分に少し甘く

身近な人達にも少し甘くしてユーモアとジョークを楽しむことです。

夫婦愛も親子愛も冷めることがありますが、凍り付いた会話のない

冷凍庫のような家庭にならないうちに、恋愛中の錯覚した高揚感や

子供が誕生したときの喜びの幸福感を意識的に想い出して、

修復の努力をすると愛は何度でも温め直すことができ

日本刀作りのように冷と熱の繰り返しを積み重ねることこそが、

夫婦と親子の絆を強め愛を深めることに繋がると私は思っています。

このような心掛けは友人や知人との関係においても発揮されるので、

このような人からは楽しさ元気がもらえるので自然と人が集まります。

伴侶や子供への不満や小言なども、最初に褒め言葉を一言

言ってから注意する方が染み込むので、まず『頭を撫でてから拳骨』

するを意識的に心掛けると意外と素直に聞いてくれるものですよ!

この世に生を受けたたった一度の人生を少しでも楽しく過ごす! 

今の私は残りの人生を楽しく過ごすために、仕事だけでなく

様々な暇つぶしの趣味も楽しみながら励んでいます。

リハビリの継続なども成果として半年前から立ったままズボンが

はけるようになったので、日々を愉快に明るく前向きな老人で

終えるように心掛けています。