格差社会の実態。

どの親に生まれるか? どの時代にうまれるか? どの地域にうまれるか? 結婚するか・しないか? 受けた教育レベルの違いは? など様々な角度から考察した社会学者七人共著の『変化する社会の不平等・少子高齢化にひそむ格差』を読み、社会構成の変化に日本の社会制度が対応できていない為の格差の拡大、階層の固定化進行に恐さを覚え、私達の頃に存在した機会の平等すら失われている現状レポートは、難解な内容とデーターを詳細に読んで初めて実感します。 

欧米は教育機会から階層によって差別に近い区別がありますが、日本も1990年頃から機会の平等が崩れ始め、バブル崩壊後に加速度的に進んでいる実態です。 

中年無業者で求職していない人が九十万人いて半数は一度も定職についた事がなく、親の年金で生活している統計資料、このまま少子高齢化が進んだ時の対応策は急務です。 

急速な変化に政治も行政も実態すらつかめていない現状に、この七人が研究助成を受けて本にした趣旨があとがきに書いてありましたが、このままなら暴発する事件の治安悪化によるコスト増、現役世代が支える形の年金財政の破綻、子育て世代への援助なしでは少子化は必然など、具体的な金額で子供がいる家庭の金銭負担による貧困度など、副題の少子高齢化にひそむ格差の進行の内容は説得力がありました。 

昔国鉄勤務の人達が口にした『国が経営しているから潰れない』? 今と同じ事が未来も続くと思っていた間違いの落とし穴を予測して階層の固定化を防ぎ、若者が逆転の希望を持てる環境を整えることが、活力と治安の良い社会に繋がり、若者の希望への確信が高齢者を支える源になると私は思っているのですが?