光を当てる人。

春は進学も就職も明暗が別れ、特に学校や社会から拒絶された状況の人達も多いので『苦難を受け入れないと、前に進まない』という辛辣な言葉と、私自身の苦難と手を差し伸べてくれた人の話を添えて励まします。 

正規で就職しても今の企業は自己防衛に精一杯で、人員削減の対象への不安や『お前の代わりはいるよ』という無言の圧力への怯えの日々が待っている? 場合もあります。

長期で見ると、幸運が不運に繋がっている人もいれば、不運を幸運に繋げた人など、外目には判らないものを誰もが内在しています。

大事な事は勝ち組でも負け組でも、自分に出来る事を常に磨き、あてがわれた場所で自分の責任を果たす準備を怠らないことです。

簡単なようで難しいことで、いつも広く社会を見て自分だけではないという視点を忘れないことが肝要です。

誰か忘れましたが、真に賢い人とは『他人の出来事や状況を、自分の事として考えられる人』と書いていました。

いつも他人を、頑張りすぎて心が折れそうになっていないか?  あの人に過剰な負担がかかり過ぎていないか? 等、そんな眼差しで家庭や学校や会社で見守っている本当の大人を増やしていく以外に心豊かな社会の実現は無理です。 

本当に強い人は人間の弱さを熟知していて、目配りをしています。

二流選手が一流の指導者になれるのは苦悩の数が多いからで、北島康介を育てた平井コーチは、早稲田大学の水泳部で選手からマネージャーにされ、それでも水泳が好きで大手企業の内定を蹴って水泳コーチに就職しました。 

選手として認められない辛い経験を活かし、自分は最後尾から全員を眺め光の当たっていない人に目配りをする

指導者は選手として一流の人より、辛い経験の中で苦悩を重ねて人間性を磨いた選手として二流の人の方が向いているような気がします。