金持ちの為の社会主義みたい。

世界的な経済危機で感じる事は『資本主義と民主主義の結婚破綻』が近づいて来ているように思う事です。 

富裕層だけの保護を優先する政策と自由貿易が進むと、中間層以下からの搾取が過剰に進み民主主義を滅ぼす事に繋がります。 

自由貿易は国外へ少しでも安い価格で輸出する為のコスト意識が過剰に働き、国内労働者への賃金もコストカットの対象になり、低賃金の中国等の東南アジアへ生産をシフトするか? 国内生産は派遣やパートなどの解雇が容易な人しか雇用しなくなります。 

安い労働力を求めて海外移転する企業を見ていると、牛を育てて肉牛として高く売る為に牧草地が砂漠化するのを放置して、次の牧草地へ移動するに似ています。 

利益を生む牛の生産だけでなく、牧草という人材も循環して育てないと、いずれ牛の生産も出来なくなります。

現代の企業家を見ていると、その時は別な事業を始めればいいと考えているように見えますが、循環社会を無視した金儲けが善の風潮の結果です。 

その人達の論理は『富裕層の富を守ることが、そのおこぼれにあずかる貧困層を守る』ことに繋がるので、貧困層への直接支援より、金持ちをもっと金持ちにしておくのが繁栄に繋がるというトリクルダウン理論です。 

今のような『金持ちの為の社会主義的政策』が続けば、さらなる格差化が進み、追いつめられた人達は『窮鼠猫をかむ』の例えで暴力的な行為が横行し治安の悪化とモラルの低下が目を覆う状況になり、治安の為の社会的コストが増えることに繋がります。 

先日高度成長の始まり所得倍増論の池田総理を支えたブレーン下村治氏(明治生まれ)の本を読み『国民全員が仕事を持ち、全員が豊かになるべき』の思想に触れ、全て結果には原因が有る事を実感しました。