根拠のない自信。

 

最近特に感じる事は日本の家族や社会の大人に若者を育てる余裕がなくなって来た不安です。 

精神科医の斉藤環氏が、本来若者の意欲が発揮される為には『根拠のない自信』が必要で、この自信は家族(親)や社会(大人)から見守られているという生存の保証を感じて育つ中でできる。 

この支えが脆くなり奪われた時、些細な失敗が自分の存在の危機に繋がる恐怖に支配されるので、私達は若者の『生存』や『意欲』に自己責任を問うべきではない、と書いていました。  

私の過去を振り返っても、社会人になってから多くの先輩や上司に見守られ、高度成長で給料は確実に上昇し、資産インフレで含み益も加速、会社も家族も個人も豊かになり社会全体が余裕に満ちていた時代の中で、若者が容易に自立出来た時代だったと思います。 

今の若者の『意欲の貧困』を嘆く前に、過去と今の状況の違いを認識しないと、今の閉塞状態から若者を救ってやれないと感じています。 

我が家の娘には、いつでも全力で守る用意をしていると逃げ道を作りました。 

就職2~3年後、悔しさで泣いた事も有るが、社会と折り合いをつけて生きて行く自信みたいなものが親や尊敬する上司や友人に見守られたお陰で持てたような気がすると言い安心しました。 

高齢者の安心な老後は健全な意欲を持ったこれからの若者の社会の中でしか成立しません。 

高度成長の恩恵を受けた今の大人が若者の力になる事から始める、まわり道が近道と思うのですが?