枯葉が新札になる。

北風と共にやって来る枯葉の掃除に忙しい毎日になりました。

枯葉に混じった紙幣を見つけるのを楽しみに38年間続けておりますが、最高金額が500円です。 

何事も楽しくしないと仕事は早く終わらないので、集めた枯葉は私が睡眠中に女房が新しいお札にしてくれるとうそぶきながら集めております。  

店のお釣りが新券紙幣を続けているのを感心するお客様には『昔、女房はゴキブリで、私が助けてあげた』ので嫁に来てからずーっと私が眠った後に、枯葉を5,000円と1,000円の新券にしてくれているとブラック冗句で話しております。

私のブラック冗句は毎日ですので、妻の娘も慣れていますが  妻は長年一緒でも時々憎たらしいと怒ること度々ですが理解力は確実に進歩しております。  

その逆に93歳で亡くなった女房の母は理解力が抜群でした。  毎年北見から来て半月程滞在するのですが、私が『婆ちゃん、もうすぐ死ぬのだから』好きなものだけ食べなさいと言うと『にっこり笑って、そうだねえ』と頷き、私の分も食べていました。 

苦労した人なのですが、愚痴らずハッキリ物を言っていました。 

知識は有っても教養のない人が多い此の頃ですが、娘も大好きなこの婆ちゃんは字は書けなくても教養に満ちた言動と人間性に感服でした。 

この家は楽しい、100歳迄生きて来年も来ると言い残して帰っていましたが亡くなってしまいました。

食卓の上の壁に写真をかけて、今も一緒に乾杯をしながら時々話しかけています。