見えているものと見えない物。

還暦も過ぎここまで生きて知った事が有るように、これからも加齢と共に体で実感し初めて頭で理解できる事が有るものと、加齢への好奇心を持って生きています。 

接客業を通しての人間観察で思うことは『見えるものを通して見えないものも見える人』が少なく、『社会状況や相手の職業や肩書などの見えるものしか見えない人』が多いように感じます。 

学歴や地位は見えますが人間性や社会性は見えませんし、お金持ちの家は見えても家族の心が幸せか? どうかは見えません。 

裕福でなくても、お互いをかけがえのない人と思って同居している方が幸せな事で、お金よりお互いの毎日の行為を通じて肌で感じ幸せの方が大切です。

一般に自分に優しくて人に厳しい人は形に見える家・車・服などの消費にシフトし、逆に形に残らない五感を満たす美味しい・楽しい・綺麗・などの心を豊かにするものに消費をシフトする人は、自分に厳しく他人に優しい傾向を感じます。 

普通は収入や財産に目が行きますが、私は収入よりお金の使い方に人間性が現れていると思いますが、ある程度年齢を重ねると顔・服装・家などにも人格が漂っています。

心を豊かにする五感の方を優先する人は自己顕示欲も少なく、物は機能を満たす程度の物で済まし、その分を家族で楽しむ費用にして心の潤滑油を増やし、愛されることより愛することに励んで幸せの近道を歩んでいます。 

一般に生意気さでも、強者に生意気な人は弱者に優しく、強者に迎合する人は弱者に高圧的です。

高齢で肉体的に不自由な弱者の立場になると『人間の本質を思い知らされる』出来事が増えるので、物欲が消えて行き心癒されるものに無意識ですが自覚しシフトしています。 

生きている喜びは、見えている物の所有ではなく、実際には見えない心が幸せを五感で感じている時と私は思っています。