五月病。

新年度を迎え五月病の時期ですが、大人でも子供でも環境が変われば不安になるのは同じです。

この不安な時期を乗り切ってもらう為には、自転車の練習時に後ろから支えてもらって漕ぐように、家族に支え見守られているという安心感を与える事が一番と思います。 

五月に限らず、家族の誰かが環境の変化に置かれた時は、さりげなく見守っているサインを出し合う事が必須です。 

単身赴任の夫が浮気に走るのも寂しさが根底に有って、何気ない奥様の配慮があれば大抵の男は踏みとどまります。

それでもする男はマザコンで幻の母を追い続けていますので、どんな状況でもしますから、そんな男を選んだ方にも半分責任があると諦めることです。

五月病で一番気がかりなのは、大学進学や就職などで子供が親元を離れて一人暮らしを始めた時です。

たぶんに本人が考えていた状況とのギャップに苦しみますが、新しい環境の人間関係が一番の問題です。

それは職場でも大学でも廻りの人間がどの程度の? どんな人間か? の判断がつくまでの不安との葛藤で精神的緊張感が高まり疲れるからです。

娘の大学も東京でしたので電話と手紙は毎週一回出していましたが、上手く行っている時は面倒に思っていたと思いますが、何かあった時は反応しサインが出ました。

帰郷後二年程してからの一人暮らしを始めた時は、年度替りとホテル開業記念行事の忙しさで帰宅が遅く、ゆっくりと自炊も出来ないとストレスが溜まっている様子を電話で感じたので、次の定休日に妻と温泉に行った帰りにケーキ屋さんに寄り、次にスーパーで果物や食料品を買って娘の部屋に向かいました。

鍵を開けて冷蔵庫の中に不足しているものを補充し、なるべく無理をしないようお願いの手紙を残して帰宅しました。 夜十一時頃電話が鳴り、明るい声で『有難う、今食事を済ませてケーキを食べてるよ、差し入れには気持ちを感じて元気が出る』と言いました。 

これも引越し後に、あなたが『はい、お父さん』と言って、合鍵を渡したから出来たことで、あなたが運んだ幸運ですと話しました。 

家具の組み立て、風呂場の排水掃除など、部屋の不具合や辛そうな時は差し入れを持って出かけました。 

幼児が同じ本を何度も読んで欲しがるのは、結末が判っている安心感を味わいながら好きな人と一緒の時間を過ごすことで、無意識領域が母親の羊水の中にいる時のような情緒の安定感を得られるからです。

五月病を防ぐ一番の方法は『自分は見守られている』という確信を与えることが最良の方法です。

お金ではなく物や行為を通して受け取る気持ちの方が、いつも見守られているという安心感が心の滋養になり、立ち向かう力になると思います。