男として人間として。

先日来店したお客様が『高野さん、ラルズの入口のゴミ箱から空き缶を取り出しているお爺ちゃんがいた』と驚いた様子で話しました。

私も見た事が有るので『そのお爺ちゃんは立派な人だと思う』と言うと、他のお客様も一斉に驚きました。 

その方は十二年程前に奥さんの脳溢血後の快気祝いを買いに来たことが有りました。 

その前後から毎日店の前を通り、買物帰りにダンボールや空缶を持って帰る様子に気が付いていました。 

私の想像でしたが、その日常行動や気配から『何か、違うもの』を毎日感じさせられていました。

私は社会的地位や評価はあまり信用しない方で、奥さんや家族などの身近な人の信頼を得ている人の方を信用し尊敬することにしています。

極論すると、一人の女性も幸せに出来ない男は信用できないと思っていますので小泉元首相も長島元監督も本当には信用していません。

誰でも沢山の人に認められ賞賛されることは快感ですが、その自分を陰で支えてくれている妻や家族への感謝の方が優先すべきと思っています。

自分が多くの人に好かれる事を犠牲にしても、妻や家族を幸せにする方を選択する行為の中に、その人の人間性に愛を感じるからです。 

本当に偶然でしたが、その日の閉店間際にその方が来店しました。 

思わず『奥様はお元気ですか?』と聞くと、妻はトイレに行くのがやっとで全て私がやっている、母として三人の娘を育て妻として私を支えてくれた感謝で、今の妻を支える事で七十五歳まで私が支えられたので、車椅子で海外旅行にも連れて行って来たと話しました。 

少ない年金の足しにプライドを捨て?・・かどうか? は聞けませんでしたが・・・たぶん素敵な人です。