扇動家。

これから述べるみのもんたや小泉元首相も今は少し影が薄くなっていますが以下は七年前に書いた手紙からの転載です。

 

かなり昔(20年位前)ですがソ連の作家ソルジェニツインが来日し、深夜テレビのインタビューに答えていた言葉が印象的でした。 

共産主義は深い穴に国民が閉じ込められ、外界が見えない状態。 

民主主義は丸いボールの上に権力者を乗せて不安定な状態に追いやる事で、独裁政治を防ぐ役目を果たしていると述べていました。 

それから二十年近く経過し、今は大衆迎合主義の罠に嵌まり小泉首相の権力を不安定にしなかった為の負の遺産が弱者に来ている格差社会が現実です。 

個人も組織も国家も偏ってはバランスを失いますが、私から見て小泉さんと重なって見えるのが司会者のみのもんたです。 

どちらも国民的に人気が有りますが、似ている所は『大衆が潜在的に感じている怒りや不安を煽って共感させ、人気と権力を得る』そんな術に長けている点で、どちらも政治家や司会者と言うよりも『扇動家』という印象です。 

物事の結果は相対的な流れの中で変わりますので、善悪の微妙な所で自分の考えに少しの不安を持つことがファシズムに陥らない為には必要不可欠な事と思います。

何事にも信念を持つことが良いことと思われていますが、私腹を肥やすような悪事は小事ですが、間違った信念を持った人を指導者にすると会社も国家も破綻へ向かう大事に至ります。

そんな事情も考慮した上で、国民も何事にも選ぶ方の責任が大切な事を再認識する事に繋がれば思う此の頃です。

ケネディが大統領就任演説で言った『国家があなたに何ができるか? を問うのではなく、あなたが国家に何ができるか? を問うことを期待します』が今の日本の国民が一番意識すべき事です。 

特にテレビの発達は、大宅壮一が一億総白痴化言ったように論理よりもイメージを優先させ、演技と大衆迎合を促進してしまい、その結果として自分で考え判断する習慣を国民から奪い取ったマイナス面の方が大きいような気がします。